町には町の顔がある
マーケティングリサーチの仕事をしていたことがあり、
そのときの町歩きの楽しさも、忘れることができない思い出です。
重たい調査票を持ち歩く不自由さがなかったら、まるで散歩の延長線上にある仕事で、
調査会社から指示された町に降り立ち、調査の対象者を見つけて
一日に1万歩以上も歩いたことも、苦痛でも何でもありませんでした。
そのときに思ったのは、「町には町の顔がある」ということでした。
同じ町でも、わずか道路を1本隔てていたり、川を挟んでいたりと、
ただそれだけのことで町の様相ががらりと変わることもあるのだなと驚いたことがあります。
例えば、狭い路地の家々の軒先に手入れの行き届いた鉢花が、
どの家でも植えられているなあと感じたり、
どの家もよく吠える犬を飼っているところだなあ…と感じたり。
ここの人たちはゆったりとした人たちが多いなあ…と住んでいる人の丁寧な応対ぶりを感じたり。
きれいに道ばたの掃除が行き届いたところだなあ…と感じたり。
その反対のことを感じる場所だったりとこんな具合です。
もう15年くらい前の私の体験であり、バブルのあとの今の様相は人々の意識も変化し、
町の佇まいは違ってきていることでしょう。
シャッター通りも増え、住宅地は総じてひっそりとしているようにも思います。
しかし、いずれにしても、町はひとりひとりの住人によって形成されていると、
リサーチの仕事を通してそんなことを強く意識したものです。
不動産担保ローン…金融消費者…なんて、看板を見ながら、
こういうのも住人なんだと、思い考えています。